車検を受けた際、車検業者からエンジンオイルの漏れについて指摘される場合があります。
車にとってオイル漏れは危険な状態で、エンジンの故障を招くリスクもある不具合です。
このため、オイル漏れが発覚した場合は早めの修理が必要ですが、実は車検に不合格になることもあれば、逆に合格することもあります。
車検では、エンジンルームと足まわりの検査が実施されます。
この時、オイルがにじんでいるとオイル漏れが疑われ、状態によっては車検に通らない可能性があるのです。
しかし、オイルが滲んでいる程度で、オイルが地面に落ちるほどでなければ車検に通る場合があります。
ただし、すでに滲み始めているということは、徐々に漏れ始めるリスクが潜んでいます。
車検業者に指摘された際は、どの程度漏れているか聞き、修理が必要か相談してみると良いでしょう。
反面、オイル漏れは修理代が高くつくという欠点があります。
状態によっては十数万円かかる場合もあるため、車検の時だけオイル漏れを防ぐため、オイル漏れ防止剤を使う方も中にはいます。
でも、オイル漏れ防止剤は応急処置にしか過ぎず、時間とともに再び漏れ出してしまいます。
車検の時はエンジンオイルの漏れを防止できても、車検後に漏れ出してしまうリスクもあるのです。
エンジンオイルは、パッキンやOリングなどによって漏れを防いでいます。
しかし部品の劣化や磨耗などによって、エンジンルーム内や車の下から漏れる場合があるのです。
漏れに気づかないことも多く、いつの間にかオイルタンクが空になり、オイルがない状態で走行している場合もありますが、これはとても危険な状態です。
もしオイルが無くなってしまうと、エンジンが焼け付いたり、オイルに引火するおそれがあります。
また、後続車がオイルを踏み、事故を招く可能性もありますので、オイル漏れ防止剤を使った場合も早めの修理が必要です。
万が一エンジンが焼け付いてしまうと、オイル漏れの修理費用よりも高く付いてしまいます。
オイル漏れといってもいろいろなオイル漏れがありますが、車検の基本的な考えから言えば、オイル漏れがある状態は正常ではありませんし、後々危険な状態になり得る可能性を持っているので、通常では車検は通りません。
しかし、オイル漏れを起こしている箇所と状態によっては車検をクリアすることができる場合もあります。
これらのオイル類は、ブロックやケースなどにひびが入っていたり、取り付けボルトが緩んでいたりといった形でドボドボ漏れている、ポタポタが止まらないといった状況でなければ、ほとんどの場合あまり影響はしないでしょう。
いわゆるオイルにじみといったパッキンやガスケットからにじみ出ているとか、周りがオイルでしっとりと濡れているといった程度であれば、検査ラインでも指定工場でも、ユーザー車検でもその漏れをきれいに拭きとってその場を何とかしのげば、まず問題なくクリアすることはできます。
特にドライブトレーン系のオイルは固めのオイルが入れられているので、ドボドボ漏れてくることはなく、にじみ程度で済んでいることが多いものなので、それぐらいであれば車検としてはまず問題はありません。
ただし、明らかに異常な状態ですので、車検から切り離して修理をして、完全にオイルにじみがないようにしておきましょう。
ブレーキオイルは車のブレーキの中核となるオイルです。
いくらそれ以外の部分が正常でもブレーキオイルが漏れていて油圧を発生させることができなければ車を減速させること、止めることができなくなるので、ブレーキオイルに関してはかなり厳しい判断がされることになります。
ブレーキホースの亀裂、ジョイント同士のつなぎ目、ピストンのダストシール周り、ブレーキブースター周りなどに少しでもオイル漏れの兆し、オイルにじみの兆しがあると修理をしなければならないでしょう。