車検のチェック項目は全部で56あります。
大きく分けるとエンジンルーム、室内、足回り、下回り点検です。
エンジンルームの点検では走行に支障が出かねないエンジンの調子やオイル漏れを中心にチェックが行われます。
オイルの漏れなどがひどい場合はエンジンの異常が考えられるため検査に合格することはできません。
もし駐車場にオイルがこぼれ出て黒くなっているなどの状況がみられるなら車検前に点検修理を依頼してください。
次は室内点検です。
点検項目で注意が向けられるのは制動装置に関連した部分の点検になります。
ブレーキペダルの聞き具合やハンドブレーキやフットブレーキに異常が見られないかを確認します。
もう一つの点検個所は足回りです。
タイヤやブレーキパッド、ブレーキシュー、ドライブシャフトなど走行中に重要な役割を果たす部分の点検が行われます。
ブレーキ系統やタイヤの装着に関する項目は命に係わる部分でもあるため念入りな点検が行われます。
下回り点検では排気系統を中心にした検査が行われます。
マフラーや触媒装置は適切な状態が保たれていないと爆音や環境に有害な物質を放出する原因になるためしっかりとした点検が行われます。
排気ガスに含まれる有害物質の量が法律の規制値内に収まっているかどうかを点検することで空気をクリーンに保つことができ環境保全にも役立っています。
また目には見えないオイルの漏れなども確認できるためドライバーの命を未然に守ることもできます。
普通乗用車の新車は3年後で、それ以降や中古車の場合には2年に1回車検を受けることが法律で定められています。
ただ、車検では具体的にどのような項目を検査しているのか、何を調整して何を修理・交換しなければならないのか知りたいという方もいます。
基本的に絶対必要とされる車検項目は、人命にかかわる項目や他車に迷惑をかけない項目と言えます。
車検の項目として性能や状態の検査があって、そのひとつにサイドスリップ検査というものがあり、これはハンドルを真直ぐ保った状態で走行した場合に横滑りする量を検査するものです。
それから前輪と後輪のブレーキが確実に利くか検査するフットブレーキ検査、パーキングブレーキが確実に利くか検査するフットブレーキ検査も車検の重要な検査項目のひとつです。
スピード検査は、スピードメーターが正確に作動しているか検査するものです。
ヘッドライト検査は重要点検項目のひとつで、ヘッドライト光軸の角度が基準範囲外なら調整をする必要があります。
通常点灯の場合は前方40m先まで確認できて対向車を考慮し少し左へ向いていること、ハイビームにした時は前方100m先を確認できる状態であることが、車検におけるヘッドライト光軸の角度基準です。
排ガスの中の一酸化炭素と炭化水素の濃度を検査するのが排ガス検査で、基準外なら車検に合格することができません。
車検における外観検査の項目としては、灯火類・方向指示器とハザード・ワイパーとウォッシャー液・運転席から見える警告灯などがあります。
また下廻り状態検査の点検項目は多くて、車体に問題がないか総体的に検査します。
例えば、ハンドルの状態や性能・ブレーキの状態・車体の損傷・各連結部分のガタツキや破損・各種オイル漏れなどです。
それからマフラーに穴が開いた車は車検に合格しませんし、錆びが酷くてボロボロの状態なら対処の必要があります。
このように細かな項目で検査されますが、点検しなくても車検に合格する箇所もあって点検されない可能性があります。
ただ安全に乗るためにも車を長持ちさせるためにも、車検と同時に全てを点検することも検討すると良いでしょう。
車検では車が問題なく動くかどうか、安全上問題がないかどうかなどがチェックされます。
ディーラー車検や整備工場、車検専用の業者に出せばこうした点をすべてチェックしたうえで整備されて受けるのでとくに問題はありませんが、ユーザー車検などすべての準備や手続きを自分で行う場合には落ちたりしないよう事前にしっかりチェックしておく必要があります。
その際には車検でどのような項目がチェックされるのかをよく知った上で自分の車の状態を見ておくことが大事です。
見落としていた意外な部分をチェックされたために落ちてしまった、といったケースも考えられるからです。
具体的にどのような項目がチェックされるのか、まず安全に運転するための最低限の環境が整っているかどうか。
まっすぐ走ることができるか、ブレーキがきちんときくか、ライトがちゃんと正しい方向に向かってついて動かすことができるか、タイヤが磨り減っていないかどうかなど。
これらは当たり前といえば当たり前ですが、長く使い続けている車の場合、知らず知らずのうちに問題が生じてしまっていることが多いだけに実際に運転しながら確認しておくことも必要です。
その他にはワイパーやスピードメーターなど運転には直接関わらないものの安全運転に欠かせない役割を持つ部品もチェック項目に入ります。
ワイパーなどはしばらく雨天で運転する機会がなかった場合にいつのまにか不調になっていることも多いので要注意です。
さらに周囲の環境にもたらす影響もチェックされます。
とくに近年ではこの項目のチェックや規制が厳しくなっている傾向が見られています。
その代表といえるのが騒音です。
音がうるさすぎないかマフラーをチェックされるほか、排気ガスから有毒ガスが過剰に出ていないかどうか、発炎筒の期限が切れていないかどうかなどが厳しく確認されます。
最後にもうひとつ、自動車税をきちんと納税しているかどうか。車検の際には納税証明書が必要で、これがなければ車検を通っても車検証が発行されないので必ず忘れないようにしましょう。