車検は“いつから”受けて、“いつまで”大丈夫?2025年改正を踏まえた最適時期ガイド

車検は“いつから”受けて、“いつまで”大丈夫?2025年改正を踏まえた最適時期ガイド

車検は、いつからいつまでに受ければ良いのでしょうか?

車検の“いつから受けられるか”“いつまでがギリギリか”──この疑問を抱えながら、予約時期を迷っているオーナーは少なくありません。2025年4月、車検制度の受検可能期間が 従来の「満了日の1か月前から」→新たに「満了日の2か月前から」 に拡大されました(※施行規則改正)

 

しかしこの制度変更には “早すぎると満了月が前倒しされて損をするケース” や “改正前と混在する期間での混乱” など、注意したい落とし穴もあります。この記事では、新制度を踏まえたうえで、あなたの車検満了日から逆算して最適な受検タイミングを導き出す方法を、実例・シミュレーション付きで丁寧に解説します。

 

「忙しくて予約できない」「ギリギリになって焦りたくない」「損をしないようにしたい」──そんなあなたが、繰り返し読みたくなるような “手元の道具” にできる記事を目指します。

車検の基本 ? 有効期間と満了日の仕組み

「車検ってそもそも何年ごとに受ければいいの?」「満了日ってどこに書いてあるの?」と迷った経験はありませんか。ここを押さえておかないと、「いつから」「いつまで」受けられるかも理解できません。まずは基本のルールを整理しておきましょう。

 

新車登録時と2回目以降の有効期間

 

新車の場合:初回車検は登録から 3年後

 

2回目以降:以降は基本的に 2年ごと に車検を受ける

 

例:2022年5月1日に新車登録 → 初回車検は2025年4月30日まで有効。次回以降は2年ごとに満了日が設定されます。

 

ここを間違えると「まだ大丈夫」と思っていたのに、実はもう期限が迫っていた…ということになりがちです。

 

満了日の確認方法

 

車検の「いつまで有効か」は、以下の方法で簡単にチェックできます。

 

車検証の「有効期間の満了する日」欄 → 公式で最も確実

 

フロントガラスに貼られた検査標章(ステッカー) → 月までしか書かれていないので、正確な日は車検証で確認する必要あり

 

自賠責保険証明書 → 車検と同じ満了日で設定されていることが多い

 

ポイント:検査標章は「月」だけなので、いつまで走れるかは1日違うだけで罰則対象になる可能性があります。必ず車検証で確認を。

 

「昔の10年ルール」への誤解

 

かつては「新車から10年経つと1年ごとの車検」という制度がありました。しかし、これはすでに廃止済み。現在は新車・中古車問わず、基本ルールは「3年 → 2年ごと」です。古い情報に惑わされないようにしましょう。

「いつから受けられるか」「いつまでか」制度と改正の解説

「車検はいつから受けられるのか」「いつまでに受けなければならないのか」──まさにこの記事のメインテーマです。制度上のルールと、2025年の法改正を分かりやすく整理します。

 

従来ルール:満了日の1か月前から受検可能

これまで車検は、満了日の1か月前から受けても有効期限が短縮されない 仕組みでした。
たとえば満了日が 2025年6月30日 の場合、6月1日以降 に受ければ次の満了日は 2027年6月30日 になります。

 

逆に5月31日より前に受けてしまうと、新しい満了日は 2027年5月31日 になり、1か月分損をしてしまうのです。

 

2025年4月制度改正:2か月前から受けられるように

国土交通省の道路運送車両法施行規則改正により、2025年4月からは 満了日の2か月前から 車検を受けても、有効期間は短縮されず満了日が据え置きになります。

 

  • 改正前:満了日の 1か月前から → 損なし
  • 改正後:満了日の 2か月前から → 損なし

 

例:満了日が 2025年6月30日 の場合

  • 4月30日〜6月30日までに受検すれば、次の満了日は 2027年6月30日

 

これにより、「忙しい人が早めに済ませる」ことが可能になり、予約や混雑の分散にも役立ちます。

 

早すぎる受検のリスクと「満了日ずれ」

ただし注意したいのは、2か月以上前に受けると有効期限が前倒しになるリスク。
例:2025年6月30日満了 → 4月29日に受けると次回は2027年4月29日までになり、2か月分損をします。

 

つまり「車検は早すぎても遅すぎても損」。最適なラインは 満了日の2か月前〜当日まで です。

 

例外ケースに注意

  • 指定工場と認証工場の違い:指定工場は持ち込みなしで検査できるため、日程が取りやすい
  • 構造変更車や8ナンバー車:改造が伴う場合は検査ラインの予約が必要で、余裕をもったスケジュールが必須
  • 大型連休や年末年始:運輸支局や工場が休業しているため、実質的に「いつまで」が前倒しされることもある

 

制度解説のまとめ表

 

時期 ルール 有効期限の扱い
2025年3月まで 満了日の1か月前から受検可能 1か月前以降なら満了日据え置き
2025年4月以降 満了日の2か月前から受検可能 2か月前以降なら満了日据え置き
2か月以上前 旧来同様、前倒しされる 満了日が短くなり損

実践シミュレーションと最適予約戦略

制度を理解しても「自分の場合はいつ予約すればいいのか」が分からなければ不安は残ります。ここでは具体的な日付を例に、シミュレーション形式で最適な車検予約のタイミングを解説します。

 

例1:満了日が10月15日のケース

  • 満了日:2025年10月15日
  • 受検可能期間:8月15日〜10月15日(2か月前ルール適用後)

この場合、最適な行動は以下の通りです。

 

  • 6月末?7月上旬:見積もり依頼・候補工場の比較
  • 8月上旬:予約確定(混雑前に押さえる)
  • 9月初旬?中旬:実際の整備・受検
  • 10月15日まで:余裕があるので万一の再検査にも対応可能

 

→ このように「受検可能期間の頭から動く」のが安心です。

 

例2:忙しくて1か月前しか動けない人

 

「仕事や家庭の都合で直前まで予定が読めない」という人も少なくありません。

  • 満了日:2025年6月30日
  • 動けるのは6月上旬から

この場合でも問題はありませんが、次の点に注意しましょう。

  • 工場やディーラーは6月下旬が混みやすい
  • 予約が取れないと、車検切れで乗れないリスク がある
  • 代車の有無を早めに確認しておくことが重要

繁忙期を避けたいなら「早め予約」がカギ

整備業界はどうしても以下の時期に混みます。

  • 3月末:年度末の駆け込み需要
  • 8月盆休み前後:帰省シーズンに合わせて
  • 12月末:年内に済ませたい人が集中

→ こうした時期に満了日が重なる人は、2か月前の早い段階で予約を入れるのが得策です。

 

早めに受けても損をしないための考え方

2025年4月以降は「2か月前から損なし」ですが、それ以前に受けると有効期間が短縮されます。

 

チェックポイント:

  • 予約は2か月前から逆算して計画する
  • それより前に受けざるを得ない場合は、次回満了日が前倒しになることを理解した上で判断

 

シミュレーションまとめ表

満了日 受検可能期間 ベスト予約時期 注意点
10月15日 8月15日〜10月15日 6月末?7月に見積もり、8月上旬予約 余裕を持てる
6月30日 4月30日〜6月30日 4月中に見積もり、5月に予約 6月下旬は混雑注意
繁忙期(3月末など) 2か月前〜満了日 可能な限り2か月前に予約 直前は予約困難