
自動車の下側を覗いたことがある方は少ないはずですが、自動車のエンジンの下には樹脂製アンダーカバーというものが付けられています。
アンダーカバーの本来の役割は下からエンジンを守る事、エンジンルーム内への異物混入を防ぐことですが、スポーツモデルなどではエアロパーツの一部として特殊な形状のものが付けられていることもあります。
実はこのアンダーカバー、車検の一つの判断となる最低地上高に関係してくる大事な部分なのです。
保安基準では車高といった概念はなく、最低地上高という寸法で扱います。
一般的にはこの最低地上高が9センチ以上なければならないとされているのですが、場所によっては5センチ以上でもOKということになっています。
9センチ以上なければならないのはホイールベース間の一番低い部分、ミッションケースとかデフケースとかマフラーのタイコ、キャタライザーなどといった部分です。
それ以外の部分、フロントオーバーハング、リヤオーバーハングの部分は5センチ以上になっていればいいことになっています。
最近の車のほとんどはフロントエンジンで、エンジンはフロントタイヤ上かフロントオーバーハング内に収まるため、アンダーカバーもほとんど部分がフロントオーバーハングに含まれる形となるでしょう。
ということはアンダーカバーは路面から5センチ以上の高さに保たれていればいいということになります。
例えば極端にフロントの車高だけを落として5センチ以下になってしまったということ以外はそれに該当することはほとんどなく、それ以前に9センチ以上という他の部分が引っかかるでしょう。
しかし、アンダーカバーによって車検をクリアできないこともあります。
アンダーカバーは樹脂製で、車体とも樹脂クリップで固定されていることが多いので、走っている時に何かを踏んでその勢いで外れてしまうことがあります。
そうなると5センチ以上という条件をクリアすることができないばかりか、危険な突起物として見られるので車検が通らなくなるのです。