車を所有して運転するうえでは責任も伴います。
日ごろからきちんと整備し、安全運転をする義務があり、万一事故などを起こしてしまった場合には責任をとる必要があります。
車検もそうした車の所有者に求められる義務と責任の一端ですから、当然検査を受けるときには自分で直接申請するのが大原則です。
日ごろ好きなだけ車を運転しておきながら検査のときだけ面倒だとほかの人に代わってもらう、というのはちょっと無責任といわざるを得ないでしょう。
ただ車検は受ける時期が決められています。
どうしてもその時期に予定が合わないケースも出てきます。
仕事などの都合もあるでしょうし、3月など時期によってはどこの整備工場も予約が詰まっていて思うように依頼できないケースも出てきます。
そんな場合には委任状を作成する形でほかの人に検査の申請を代行してもらうことも可能です。
これは簡単に言えば「ほかの人に依頼するけれども、最終的な責任は持ち主にある」というものです。
委任された人は車の持ち主の代行者・代理人の立場になるわけですが、あくまで最終的な責任は持ち主にあります。
もし検査で不備が出た場合には持ち主の責任の下で改めて検査を受ける必要があるわけです。
この委任状は委任する人とされる人の名前や住所、委任をすることを表明する文章といった最低限必要な項目を満たしていればとくに厳密なフォーマットはなく、ネット上でも雛形をダウンロードすることができます。
ただし委任状を有効なものにするためにはいくつか注意すべき点があります。
まず署名と一緒にハンコを押す必要がありますが、これは印鑑証明書と同一の実印が必要です。
また万一誤字が生じた場合には委任者の捨印による訂正しか認められていないため、基本的には書き直したほうが無難です。
あとは黒いボールペンを使用する、感熱紙に印刷したものは使用できないといった正式な書類に必要な基本的な部分も忘れないようにしましょう。