日本は世界的に見ても自動車に対する規制が厳しいといわれている国です。
特に車検制度は稀に見る厳しさで、欧米諸国の方にそのことを説明するとかなり驚きます。
そもそも車検制度は、表向きは安全性を高めるため、交通事故を減らすためということで運用されるようになったわけですが、実際には他に危害を加えるような車、違法改造車などを排除するために行われているものです。
過去に暴走族が多かった時代に保安基準が厳しくなり、逆にそういった悪質な車が少なくなってきた今、保安基準が緩くなってきていることからもわかるでしょう。
日本ではボディの形状から灯火類の色合い・数・位置、ヘッドライトの光軸、突起物、外形寸法、排気音量、排気ガス濃度、最低地上高などかなり細かいところまで基準が設定されていてかなり厳しさを感じますが、果たして海外ではどうなのでしょうか。
海外の車検事情を見てみると、はっきり言って日本ほど厳しい国は見当たりません。
その形態も様々でそもそも車検制度というものがない国、車検があってもかなり緩い国、点検だけしていればいい国などいろいろなパターンがあります。
自動車大国と呼ばれているアメリカでは国としての車検制度はありません。
しかし、州ごとに車検というところまではいきませんが、保安基準的なものが設定されていて、それに適合させるだけで検査など行うことはないといった州がほとんどです。
日本では「そんな車、絶対に走れっこないよ」と思うような車がアメリカの公道を堂々と走っているところを見かけますが、よく見てみると小さなウィンカーがついていたり、ヘッドライトやブレーキランプ、テールランプがきちんとつけられているという点が実はその州の規則に適合させたものなのです。
基本的にその規制もかなり緩いものが多いのですが、逆にテールランプの球切れなどを警察に見つかるとすぐに停止を求められ、ボディチェックや車内のチェックなどを受けて、更に違反切符を切られるといった厳しい取り締まりが行われることになりますので、それを避けるために自発的に規制にあわせようという事になっています。