自動車はタイヤが回転することで進みます。
当たり前のことですが、タイヤがきちんと取り付けられていないと振動などのさまざまな問題が生じるのはもちろん、スリップなどの事故の原因にもなりかねません。
そんなタイヤの取り付け環境のことをアライメントといいます。
具体的には取り付けられる角度やサスペンションなどが正確に調節されているかどうか、です。
この調整は当然のことながら正常な状態が維持された上で運転されています。
しかしちょっとした衝撃、たとえば段差にぶつかる、縁石に乗り上げるといった出来事を何度か繰り返しているうちに少しずつズレが生じていき、それがどんどん蓄積すると運転にも影響が生じるようになるのです。
たとえば曲がり角でカーブを切ろうと思ったときに正常とは違った曲がり方をすることがあります。
「とりあえず曲がり角を曲がれればいい」というわけにはもちろんいかず、思っていたよりも大きく膨らんでしまうなどして歩行者に激突してしまうといった事故の原因になりかねません。
またまっすぐスピードを出して走ろうとすると不安定にふらつく、ガタガタと揺れるといった問題が出てくることもあります。
そうなると当然燃費も悪くなります。
この調節も車検における重要なポイントですが、整備を行っている工場によってどこまで整備してもらえるのかに差が出てきます。
通常はタイヤのつま先部分の傾き(トゥ)だけを調整するところが多く、それ以外のタイヤの斜傾角(キャンパー)、キングピンの傾き角度(キャスター)などの調節は行っていないところも少なくありません。
ですからすべての調節をやりたい、車検を機会に徹底的に整備したいという場合には整備工場をチェックする際に入念にチェックしたうえで判断するとよいかもしれません。
工場選びはどうしても価格で選んでしまいがちですが、こうした大事な点も忘れないようにしましょう。